株式投資に興味はあっても「どんな銘柄に投資したらよいのか」「どの証券会社を利用したらよいのか」と入口で尻込みしている方も多いのではないでしょうか。
本記事では株式投資初心者に向けて、投資銘柄を選ぶ基準やおすすめの証券会社を紹介します。株式投資を始める第一歩として活用ください。
目次
まずは株式投資に慣れるところから始めましょう。株初心者の銘柄選びには次のポイントが大切です。
株式投資とは簡単にいえば、「上場する企業の株式を購入して、売却時に利益を上げようとするもの」です。
教科書的には、「成長企業の株式へ投資することで、株価の値上がり益が得られる可能性が高い」ということになります。ただし、初心者が4,000社近い上場企業の中から成長が期待できる企業を選び出すのは至難の業です。
よって最初は、株式投資に慣れるという意味では身近な企業の株式への投資がおすすめです。
外食なら日本マクドナルドホールディングス<2702>、銀行なら三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、ネット通販なら楽天グループ<4755>、自動車ならトヨタ自動車<7203>など、日常生活でさまざまな企業のサービスや製品などに触れる機会があります。
それらの企業の株式なら親近感もあるため投資しやすいでしょう。
株を購入した対価として受け取れるものに、株主優待と配当金があります。
株主優待 |
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---|---|
配当金 |
|
株式投資の第一歩として、株主優待や配当金に注目して投資を始めることもおすすめです。株主優待の内容は企業によりさまざまです。自社商品の提供からQUOカードのプレゼントまで、株主優待の一覧表を見るだけでも楽しいでしょう。
株主優待や配当金は、株式を保有するだけで得られる期待があるので初心者が株式投資に親しむきっかけにもなります。
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株式投資では、基本的に100株単位(1単元と言います)で購入します。
たとえば株価が500円の場合、投資資金として5万円が必要です。株価が1万円以上の企業も少なからずあり、その場合は100万円超の投資資金が必要となります。しかし投資初心者にとって、100万円は高すぎると言わざるをえません。
自動車業界を例に取ると、トヨタ自動車<7203>に投資するには約20万円の投資資金が必要ですが、日産自動車<7201>なら約5万円ですみます(2023年2月時点)。同じ自動車業界であっても、必要な投資資金には大きな開きがあります。
株式投資に慣れるまでは、少額資金で投資できる銘柄への投資がおすすめです。
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株式投資は100株で1単位(単元株)の売買となりますが、1単元に満たない単元未満株の取引サービスを提供する証券会社もあります。
単元未満株の取引サービスを利用すれば、1単元では投資金額が大きすぎる銘柄でも少額投資が可能です。
興味のある銘柄の株価が高額な場合は、単元未満株の取引サービスを利用して投資することもできます。ただし、単元未満株の取扱は証券会社独自のサービスであり、取扱のある証券会社はSBI証券、松井証券など限られています。
単元未満株に興味がある人は、単元未満株の取引ができる証券会社に口座開設が必要です。
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いざ株式投資を始めようと思っても、どんな銘柄に投資すればよいか分からないという方も多いでしょう。
そこで①投資金額、②株主優待&配当、③知名度の3つのポイントから株初心者にも投資のハードルが低いおすすめの銘柄を5つずつ、計15銘柄ピックアップしました(株価はいずれも2023年2月17日終値)。
まずは投資金額に注目して、少額で購入できる銘柄を見てみましょう。下記の条件で選出した初心者おすすめの5銘柄です。
銘柄名/ コード |
PBR | 株価 | 購入 代金 |
事業内容 |
---|---|---|---|---|
フジ・メディア・ホールディングス 4676 |
0.30倍 | 1,117 円 |
111,700 円 |
フジテレビを傘下に持つ企業グループ |
日産自動車 7201 |
0.40倍 | 518.7 円 |
51,870 円 |
国内大手自動車メーカー |
コニカミノルタ 4902 |
0.51倍 | 587 円 |
58,700 円 |
国内複合機メーカー |
ENEOSホールディングス 5020 |
0.49倍 | 459.4 円 |
45,940 円 |
国内石油元売り首位 グループ |
ヤマダホールディングス 9831 |
0.57倍 | 479 円 |
47,900 円 |
国内家電量販店最大手 グループ |
一般的に低PBRの銘柄は中小型株に多く、売買があまり行われていない銘柄も多いといえます。しかし上表のように低PBRの銘柄の中には知名度のある大型株もあり、そのような企業の株は需要も多くスムーズな取引が可能ですので初心者にもおすすめです。
次に、株主優待や配当金が魅力の銘柄です。下記の初心者おすすめのポイントで5銘柄ピックアップしました。
銘柄名/ コード |
配当 利回り |
株価 | 購入 代金 |
事業内容/ 株主優待の 内容 |
---|---|---|---|---|
ビックカメラ 3048 |
1.27% | 1,184 円 |
118,400 円 |
国内大手家電量販店 買物優待券 |
ひろぎんホールディングス 7337 |
3.94% | 686 円 |
68,600 円 |
広島銀行を傘下に持つ持株会社 クオカード、美術館招待券など |
宝ホールディングス 2531 |
3.19% | 1,065 円 |
106,500 円 |
宝酒造などを傘下に持つ持株会社 自社グループ商品詰め合わせ |
ブックオフグループ ホールディングス 9278 |
1.72% | 1,282円 | 128,200円 | ブックオフを傘下に持つ持株会社 ブックオフ店舗で利用できる買物券・買取金額アップ券 |
大王製紙 3880 |
1.55% | 1,029 円 |
102,900 円 |
大手製紙会社 自社グループ商品詰め合わせ |
株主優待や配当に注目して銘柄を選ぶ際は、それらを総合的に見る視点が大切です。配当利回りが高く、株主優待も優れている銘柄も探せばありますが、中小型株が中心のため業績の分析などまで考えると初心者は注意が必要です。
株式投資初心者にもおすすめできる有名企業を5銘柄ピックアップしました。日本を代表する企業であり、投資金額10万~20万円程度の銘柄です。
銘柄名/ コード |
株価 | 購入 代金 |
事業内容 |
---|---|---|---|
トヨタ自動車 7203 |
1,907.5 円 |
190,750 円 |
世界的自動車メーカー |
三菱UFJフィナンシャル・ グループ 8306 |
981 円 |
98,100 円 |
三菱UFJ銀行を傘下に持つ持株会社 |
ソフトバンク 9434 |
1,527 円 |
152,700 円 |
国内携帯電話大手 |
日本郵政 6178 |
1,197 円 |
119,700 円 |
日本郵政グループの持株会社 |
パナソニックホール ディングス 6752 |
1,203.5 円 |
120,350 円 |
国内大手家電メーカー |
世界的自動車メーカーのトヨタ自動車でも20万円以下で投資可能です。また、国内メガバンク最大手の三菱UFJ銀行を傘下に持つ三菱UFJファイナンシャル・グループは10万円以下で投資できます(2023年2月時点)。
有名企業は高株価で多額の投資金額が必要になる銘柄も多い反面、上表のように有名企業でも10万~20万円程度で投資可能な銘柄もあります。
株式投資を行う際にNISA制度を活用すれば、売買益にかかる約20%の税金がかからずに株式投資が可能になります。
NISAは、毎年一定金額の範囲内で購入した株式や投資信託などの金融商品から得られる利益が非課税になる制度。2014年1月からスタートしており、年間非課税枠は120万円。各年に購入した金融商品を保有している間に得た配当金や売却益について、購入した年から数えて5年間は課税されません。
なお、2024年からはNISA制度がリニューアルします(新NISA)。新NISAは現行の旧NISAとは別枠の制度としてスタートするため、現行の旧NISAの税制メリットは存続します。
つまり現行NISAの分は別扱いとして非課税で継続保有できますが、その期間は最大で2027年末までとなります(2023年末までに購入した分)。
ですので興味を持ったタイミングで現行のNISAに口座開設をして、まずはNISA口座で取引を始めることをおすすめします。2024年から始まる新NISAの非課税投資枠とは別なので、非課税で投資できる分が増えておトクです。
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新NISA制度については下記の記事をご覧ください。
そこで気になるのが、どの証券会社で口座を開設したらよいかということです。株取引には手数料がかかります。
取引手数料は証券会社ごとに違うので、できるだけ有利なところを選びたいですよね。株初心者におすすめのネット証券を比較してみましょう。初心者を想定して投資額は20万円までで、1注文ごとの手数料体系で比較したのか下表です。
楽天証券 | SBI証券 | auカブコム 証券 |
|
---|---|---|---|
現物株取引手数料 (5万円まで) |
55円 | 55円 | 55円 |
手数料 (10万円まで) |
99円 | 99円 | 99円 |
手数料 (20万円まで) |
115円 | 115円 | 115円 |
少額投資 (単元未満株) |
かぶミニ | S株 | プチ株 |
NISA口座 | 〇 | 〇 | 〇 |
投資金額での スクリーニング機能 |
〇 | 〇 | 〇 |
ネット通販大手の楽天グループが運営する楽天証券。新規口座開設数で4年連続ナンバーワン(2021年実績)を達成した、多くの株式投資未経験者が最初に口座開設を行う証券会社です。
初心者向けサービスが充実しており、取引により楽天ポイントが貯まるサービスも提供しています。日頃から楽天グループのサービスを利用する機会が多い方には、特におすすめの証券会社です。
また、楽天証券のスマホアプリ「iSPEED」は初心者でも使いやすいと評判のアプリ。スマホから取引したり資産状況を確認したりする人は急増していますので、スマホアプリの使いやすさは非常に重要ですね。
PCで使える投資ツール「マーケットスピード」はベテランの愛用者が多いことでも知られています。このように楽天証券は初心者向けからベテラン向けまで、アプリやツールも充実しています。
SBI証券は国内株式個人取引シェア1位の実績を持つ大手ネット証券会社です(2022年3月期)。初心者からベテランまで幅広い層が同社を利用しています。
SBI証券は国内株式のみならず、海外株式についても米国・中国を始めアセアン諸国を含め9カ国の取引が可能です。なお、米国株は5,000銘柄以上もの取扱いがあります。
IPO(新規上場株式)にも力を入れており、IPOの取扱銘柄数はネット証券で最多です。利益が出やすいといわれるIPO投資ですが、IPO投資を行う際はSBI証券の口座開設は必須ともいわれるほどスタンダードな存在です。
国内株式のみならず海外株式、IPO株とさまざまな金融商品の取引可能なSBI証券は、株式初心者から中級者、そしてベテランになっても長く付き合える証券会社といえるでしょう。
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少額投資におすすめの証券会社としては、SBI証券とauカブコム証券の2社があります。
SBI証券は国内ネット証券の大手企業です。取扱商品やサービスの豊富で幅広い投資家から支持を集めています。
SBI証券には単元未満株を取引できる「S株」サービスがあり、数百円から数千円の少額投資が可能です。また、同じ銘柄のS株に継続的に投資して合計100株(1単元)となった際には単元株扱いとなります。
さらにS株は買付手数料が無料、売却時の手数料も約定代金×0.55%と低く抑えられています。
S株で手数料を抑えながら数百円単位で株式投資ができるSBI証券は、少額投資にもおすすめの証券会社です。
三菱UFJフィナンシャル・グループとKDDIグループの両者を親会社とするauカブコム証券。「プチ株」という名称で、単元未満株の1株単位の取引サービスを提供しています。プチ株はNISA口座での利用も可能です。
auカブコム証券ではPontaポイントを利用して株式投資ができ、プチ株も対象となっています。
なお、プチ株の手数料は約定代金の0.55%、最低手数料は52円(税込)です。
auカブコム証券のプチ株を利用すれば少額から株式投資が可能。日ごろからPontaポイントを利用する機会が多い人に特におすすめのサービスです。
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株式投資を始めるなら、単元未満株など少額からの取引もできるネット証券の利用がおすすめです。また非課税で運用できるNISAの活用も検討したいところです。
投資する銘柄は、知名度があり少額で投資できる銘柄からスタートするのがおすすめ。株式投資に興味を持ったら、まずは余剰資金で少額から始めてはいかがでしょうか。
株初心者がリスクを抑えて投資するのにおすすめの方法は?
いざ、株式投資を始めよう!と思っても、数ある金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、多くの人に支持される金融機関3つを、独自のサービスやおすすめ情報と併せてご紹介します。
SBI証券
楽天証券
松井証券
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【完全版】株初心者におすすめの銘柄・証券会社を徹底解説!
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