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つみたてNISAではファンド(投資信託)を購入して資産運用を行います。投資地域を分散してリターンを求めるなら、全世界株式型の銘柄についても理解しておくとよいでしょう。
今回は、全世界株式型の銘柄の中からeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)について詳しく解説します。
目次
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は、日本、先進国、新興国の株式を投資対象とするインデックス型の投資信託です。
投資割合は、3地域へ均等(約33%ずつ)に投資しますので、それぞれ3地域の市場のベンチマーク(投資信託を運用する上で目標とする基準)に連動する運用成果を目指します。
個人では情報を得にくい新興国を含む外国株式へも投資できること、この1銘柄を購入することで日本を含む全世界株式へ分散投資できることが魅力です。
上記銘柄の基本的な情報は下表のとおりです。
銘柄名 | eMAXIS Slim 全世界株式 (3地域均等型) |
|
---|---|---|
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 | |
投資対象 | 日本、先進国、新興国の株式 | |
買付単位 | 100円以上1円単位 | |
売却単位 | 100円以上1円単位 | |
買付手数料 | なし | |
信託報酬 | 0.1133% | |
分配金利回り | 3年積立収益率 14.3% (2023年2月末時点) |
|
ベンチ マーク |
国内株式 | 東証株価指数 (TOPIX)(配当込み) |
海外株式 | MSCIコクサイ・インデックス (配当込み、円換算ベース) |
|
新興国 株式 |
MSCIエマージング・マーケット・インデックス (配当込み、円換算ベース) |
|
設定日 | 2018年4月3日 | |
運用方針 | インデックス |
ファンドの運用実績を見ると、そのファンドに投資して利益がどのくらい出ているかがわかります。また、同じベンチマークを持つファンドの同期間の利益と比較すると、どちらのファンドがより効率よく運用できているかもわかります。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の期間3年の積立運用実績を紹介します。
積立運用実績*1 (期間3年) |
823,221円 (+14.3%) |
---|---|
基準価額 | 14,487円 |
純資産総額 | 68.5億円 |
毎月2万円ずつ3年間積み立てると72万円が82万3221円(+10万3,221円)になりました。3年積立収益率は14.3%です。
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eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は株式を投資対象とするファンドです。
株式には値動きがあり、値動きの幅が大きいほどリスクが高いとされます。たとえば、株式は債券に比べるとリスクは高く、投資地域ではリスクの高い順に、新興国、先進国、日本となります。
そのため、リスクの異なる商品を組み合わせて投資すると、リスクを分散させる効果が期待できます。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は、日本、先進国、新興国の3地域へそれぞれ均等に分散投資をするファンドです。これまでの実績(最大益・最大損)は次のとおりです。
運用実績 | 最大益 | 最大損 |
---|---|---|
積立期間中(1年) | 5,797円 (+2.4%) |
-5,335円 (-3.8%) |
積立期間中(3年) | 103,221円 (+14.3%) |
0円 (0%) |
基準価額とは、投資信託の値段のことです。1口または1万口当たりの値段が表示されます。販売当初は1万口1万円で設定されることが多く、その後運用成果により変動します。
現時点(2023年3月3日)の基準価額は1万4487円で、1万円で設定以来44.87%上昇しています
決算日 | 基準価額 |
---|---|
2019年4月25日 | 10,343 円(+3.43%) |
2020年4月27日 | 9,016 円(−9.84%) |
2021年4月26日 | 13,308 円(+33.08%) |
2022年4月25日 | 14,001 円(+40.01%) |
基準価額は、ファンド保有の資産が値上がりすれば上昇します。
2020年4月はコロナ禍の影響でいったん基準価額は下がったものの、その後、再び順調に上昇しており、ファンドの保有資産が増えていることが想定されます。
純資産総額とは、ファンドが運用している資産(株式や債券など)の時価総額に、その他の収入(利息や配当金など)を加え、運用費用などを差し引いた金額で、いわゆるファンドの規模です。
そのため、ファンドの換金(売却)などで投資信託の信託財産が減る、あるいは運用資産が値下がりするなどの時に純資産総額は減少します。
現時点(2023年3月3日)の純資産総額は68.53憶円、設定来の推移は次のとおりです。
決算日 | 純資産総額 |
---|---|
2019年4月25日 | 9.92憶円 |
2020年4月27日 | 15.09憶円 |
2021年4月26日 | 35.47憶円 |
2022年4月25日 | 51.94憶円 |
□純資産総額と基準価額の推移グラフ
純資産総額は右肩上がりに推移しているということは、ファンドの保有資産が増えている≒投資家からの一定の支持のもとにファンドが購入されている、などと考えられます。
eMAXIS Slim シリーズには、全世界株式を投資対象とする銘柄はほかにeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)があります。
本記事で解説している全世界株式(3地域均等型)との違いを見てみましょう。
■投資対象地域の投資比率(2023年1月時点)
全世界株式(3地域均等型):日本・先進国・新興国、それぞれ3地域均等(33.3%ずつ)
全世界株式(オール・カントリー):先進国 約89%(うち日本5.4%)、新興国11%
■ベンチマーク
全世界株式(3地域均等型):3地域の指数※1 を均等比率に組み合わせた合成ベンチマーク
全世界株式(オール・カントリー):MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)※2 1つのみ
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このファンドは、以下のようなポイントにあてはまる人に向いているでしょう。
新興国株式へ投資するリスクをほかの2地域よりも減らしたい人や世界の株式市場をリードする米国への投資比率を高めたい人は、先ほどご紹介したeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)※などへ投資する方法もあります。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)はつみたてNISAで購入できます。つみたてNISAで購入すれば、運用から得られる利益が非課税になるメリットが享受できます。
また、つみたてNISAなら、毎月買うタイミングを分散させることができるため、基準価額が高い時に一度にたくさん購入してしまう失敗を防げます。
つみたてNISAで上記銘柄を取扱っている金融機関は、下表のとおりです。
証券会社名 | 銘柄本数 | 最低積立 金額(円) |
その他 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 190 | 100 |
|
楽天証券 | 188 | 100 |
|
auカブコム 証券 |
187 | 100 |
|
松井証券 | 184 | 100 |
|
マネックス 証券 |
167 | 100 |
|
SMBC日興 証券 |
158 | 1000 |
|
フィデリ ティ 証券 |
42 | 1000 | |
CONNECT | 16 | 100 | |
LINE証券 | 9 | 1000 |
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上記銘柄の取扱いがあるSBI証券を例に、つみたてNISAでの購入方法を見ていきましょう。
「目論見書」と「目論見書補完書面」をクリックし出てくる内容を確認すると、確認画面へのボタンで次へ進めます。
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eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)の売り方は?
口座管理画面で銘柄を選び、「取引」「売却」をタップすればいつでも自由に売却できます。
ただし、つみたてNISAで購入できるのは、金融庁の定めた基準をクリアした長期・積立・分散投資に向く投資信託なので、短期で売却せずに、必要に応じて必要な金額分だけ売却するとよいでしょう。
つみたてNISAでeMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)を投資すべき?
新興国への投資配分が先進国並みであることを許容できるなら、つみたてNISAで投資すべきです
「3地域均等型」は全世界の株式に分散投資できるものの、新興国への投資比率がほかの2地域より少ない同タイプのほかの銘柄「オール・カントリー」などと違います。日本や先進国よりリスクが大きい傾向にある新興国へも先進国と同じ比率で投資しても問題ないと思えるなら購入しても良いでしょう。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)は、2018年4月3日のファンド設定以来、コロナ禍を除けば順調に純資産総額が増え、基準価格も上昇しています。また、積立期間中(3年)の運用実績は、最大益14.3%、最大損0%とおおむね良好です(ただし、将来の運用利益を保証するものではありません)。
この1銘柄を買えば日本、先進国、新興国の株式市場へ均等に分散投資ができるのが特徴です。ただし、新興国株式へも3割以上の投資をするので、新興国へのリスク許容度が高めの人や年齢が若く投資期間が⻑くとれる人などに向く可能性はあるでしょう。
なお、実際に投資する際には、以下の投資信託の直近の説明書「交付目論見書」から確認した上で積立するとよいでしょう。
いざ、投資を始めよう!と思っても、数ある金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、多くの人に支持される金融機関3つを、独自のサービスやおすすめ情報と併せてご紹介します。
SBI証券
松井証券
楽天証券
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つみたてNISA対象銘柄―eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)の評価
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最終的な投資決定は、各取扱金融機関のサイト・配布物にてご確認いただき、ご自身の判断でなさるようお願い致します。
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