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iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)は、自分でお金を積み立てて、将来の自分が受け取る年金を作れる制度です。節税しながら老後の資金準備ができるおトクな制度のため、利用者がどんどん増え、その数は240万人以上にのぼります。
iDeCoに興味を持ったものの、「そもそもiDeCoってなに?」「どうやって始めたらいいの?」「どの商品を購入すべき?」など、たくさんの疑問が出てきてなかなか進めないという方もいるでしょう。
iDeCoには知っておきたいポイントがいくつもあります。本記事では、iDeCoを始めるか検討中の方が疑問を解消できるよう、iDeCoの基礎知識について解説します。
単に制度の内容だけでなく、始め方から金融機関・商品の選び方、メリット・デメリットまで、必要な知識を丸ごと解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
まずは、iDeCoとは何なのか、その概要から見ていきましょう。制度の内容やどんな人が利用できるかなど、初心者の方に向けて基本からやさしく解説していきます。
iDeCoとは、自分で自分の将来の年金を作る制度の名前で、正式名称は「個人型確定拠出年金」といいます。老後の資金準備を促進するため、国が2001年にスタートさせた制度です。
iDeCoの目的について、iDeCo公式サイトには以下のように記載されています。
“多くの国民の皆様に、より豊かな老後の生活を送っていただくための資産形成方法のひとつとして位置づけられています。”
iDeCoは、加入義務がある国民年金や厚生年金など「公的年金」とは別に、希望者が追加で加入できるしくみになっています。
自分でお金を出して、自分でお金の預け先を選んで運用し、将来は通常の公的年金に上乗せしてiDeCoで積み立てた分も受け取れます。
iDeCoは、基本的に20歳以上60歳未満の方なら誰でも加入できます。
ただ、以下のように職業ごとに加入区分がわかれていて、例外的に加入できない方もいます。
加入区分 | 加入できる | 加入できない |
---|---|---|
国民年金の第1号被保険者 | 自営業者、フリーランス、学生など | ・農業者年金に加入している人 ・国民年金の保険料納付を免除されている人(※障害基礎年金を受給されている場合などは加入できる) |
国民年金の第2号被保険者 | 会社員、公務員など <厚生年金の被保険者> |
勤務先で、企業型確定拠出年金に加入している人(※企業型確定拠出年金規約で個人型同時加入を認めている場合は加入できる) |
国民年金の第3号被保険者 | 専業主婦(主夫)など <第2号被保険者に扶養されている配偶者> |
- |
加入区分ごとに、iDeCoに投入できる金額の上限が違います。詳しくはこちらで解説しています。
以下のような条件にあてはまる人は、iDeCoに向いているといえます。
自分が将来いくらくらい年金を受け取れるかご存じでしょうか。「調べてみたら意外と少ない……」と不安になる方は多いものです。老後のお金に不安がある方や、老後を豊かに過ごしたい方にとっては、iDeCoはまさにうってつけの制度です。
さらに、iDeCoは一度設定しておけば自動的にお金が引き落とされ、途中で引き出すことができないため、貯金が苦手な人でも確実にお金を積み立てていくことができます。
そして、iDeCo最大のメリットとなるのが「節税効果」です。税金の負担を抑えたいと思っている人も、ぜひ利用を検討してみましょう。iDeCoの節税効果については次の章で詳しく解説していきます。
iDeCoが人気を集める大きな理由となっているのが「税金を抑えながら資産形成ができる」という点です。節税効果がとても高く、iDeCoを利用するかしないかで老後までに数百万円単位で差が出るケースも少なくありません。
ここからは、iDeCoが持つ3つの節税メリットについて詳しく見ていきましょう。
まずは税金の計算方法についてかんたんに整理しておきましょう。
個人が支払う所得税や住民税の税額は、「収入から必要経費や控除を差し引いた金額」をもとに計算されています。「控除」が多いほど、課税対象になる金額が少なくなるため、納める税額も少なくて済みます。
iDeCoに積み立てるお金(掛金)は、その全額が所得控除の対象になります。つまり、積み立てる金額が多ければ多いほど、所得税や住民税の負担が軽減されるということです。
具体的にどれくらい負担が軽くなるのか、以下はその一例です。
30歳 年収400万円 会社員の場合 | |
---|---|
積立期間 (60歳まで) |
30年間 |
1ヶ月あたりの掛金 | 2万円 |
1年間に軽減できる 所得税・住民税の金額 |
3万6,000円 |
60歳までに軽減できる 所得税・住民税の金額 |
108万円 |
この例では、30歳から60歳までの30年間で100万円以上税金が安くなる計算です(厳密には家族構成や他の控除の有無などによって多少差が出ますので、あくまで目安としてお考えください。)
この例よりも積立期間が長い人(若い人)、1カ月あたりの掛金額が多い人、年収が高い人は、さらに節税効果が高くなります。
iDeCoの節税メリットはまだあります。運用がうまくいって利益が出たとき、通常はその利益に対して20.315%の税金がかかるのですが、iDeCoで運用している場合は非課税です。
iDeCoならどれだけ利益が多くても税金がかからずに済みます。そのため、運用がうまくいっていればいるほどiDeCoの節税効果が高くなります。具体例は以下のとおりです。
年3%の利回りで運用できた場合 | |
---|---|
積立期間 (60歳まで) |
30年間 |
1カ月あたりの掛金 | 2万円 |
掛金の合計額 | 720万円 |
運用で出た利益 | 約445万円 |
最終積立金額 | 約1165万円 |
運用益の非課税分 | 約90万円 |
こちらもあくまで概算ですが、仮に年3%の利回りで30年間運用できた場合は、運用益にかかる税金の節税効果がおよそ90万円にもなります。
iDeCoでは、老後を迎えて積み立ててきたお金を受け取るときにも大きな控除があるため、本来かかるはずの税金を抑えることができます。
iDeCoで積み立てたお金は、年金として少しずつ受け取ることも、まとめて一括で受け取ることも、それらを組み合わせることも可能です。受け取り方によって、それぞれ以下の控除の対象になります。
どちらの控除になるかで税金の計算方法が変わります。年金で受け取る場合に節税できる金額は、その時の年齢や公的年金がどれくらい受け取れるかによります。
一時金の場合は、iDeCoの掛金を支払った期間が関係してきます。税制上、iDeCoで受け取る一時金は退職金のような扱いになるため、勤務先で退職金を受け取る人はその金額や時期、それまでの勤続年数によっても納めるべき税額が変わります。
どちらがおトクになるかは人によって違うため、一概には言えません。受け取り前にシミュレーションして、iDeCoで節税できる金額や公的年金や退職金の受け取り額、そのときのライフスタイルなどに応じて受け取り方を選択するのがおすすめです。
ここからは、「iDeCoをやってみたいけれど、何から始めればいいの?」という方に向けて、iDeCoを始めるための手順について解説します。
iDeCoではいくらずつ積み立てるか、何で運用するかなどを自分で決めて実行する必要があります。次の4ステップを順番にクリアしていきましょう。
まずは、iDeCoにいくらずつ積み立てていくのか考えます。iDeCoに毎回積み立てるお金のことを「掛金(かけきん)」と呼んでいます。
掛金は、月々5,000円以上1,000円単位で自分の都合にあわせて選べますが、上限があります。上限となる金額は、職業などによって以下のように決められています。
iDeCoの拠出限度額について | ||
---|---|---|
加入資格 | 掛金 | |
第1号被保険者(自営業者) | 月6.8万円 (年81.6万円)*1 |
|
第2号被保険者(会社員・公務員等) | 会社に企業年金がない会社員 | 月2.3万円 (年27.6万円) |
企業型確定拠出年金に加入している会社員 | 月2.0万円 (年24.0万円) |
|
確定給付企業年金と企業型確定拠出年金に加入している会社員 | 月1.2万円 (年14.4万円) |
|
確定給付企業年金のみに加入している会社員 | ||
公務員等 | ||
第3号被保険者(専業主婦(夫)) | 月2.3万円 (年27.6万円) |
掛金は毎月1回ずつ積み立てていくのが基本ですが、年1回以上の回数で都合のよい月にまとめて積み立てる設定にすることも可能です。
掛金の金額が大きいほど節税効果が高くなります。ただし、iDeCoの掛金額は年1回までしか変更できないうえ、積み立てている期間中は基本的にお金を引き出すことができません。生活が苦しくならない範囲内で設定するようにしましょう。
iDeCoでは投資する商品を自分で選んで運用していくことになります。選べる商品は、大きく分けて次の2種類です。
具体的な選び方やおすすめ商品についてはこちらで詳しく解説しています。口座を開設する金融機関によって選べる商品が違いますので、まずは商品を決めてから、それが選べる金融機関を選ぶようにするとよいでしょう。
投資したい商品が決まったら、それを取り扱っている金融機関でiDeCo専用の口座を開設します。
iDeCo口座は銀行や証券会社などで開設できますが、1人1口座だけというルールがあるため、数ある金融機関のなかから1社しか選べません。金融機関の選び方はこのあと詳しく解説します。
金融機関を選んだら、口座開設の手続きをします。オンラインで済ませられるところもあれば、書類を取り寄せて手書きで記入し、郵送するところもあります。
口座開設を申し込んでから実際の積立が始まるまで、2カ月程度かかるのが一般的です。
iDeCoでは、掛金を複数の商品にわけて投資することもできます。たとえば次のような投資パターンがあります。
<パターン1>
商品Aのみ(100%)
<パターン2>
商品A(50%)、商品B(50%)
<パターン3>
商品A(30%)、商品B(25%)、商品C(20%)、商品D(15%)、商品E(10%)
いくつの商品に投資するのか、何%ずつ割り振るのか、自分で自由に決められます。
詳しくは後述しますが、商品ごとに何に投資するのかが違います。同じ投資対象ばかりに投資するより、なるべく分散させて投資した方がリスクを抑えやすいため初心者におすすめです。
考えることが多く面倒に感じるかもしれませんが、最初だけです。一度これらの設定を済ませてしまえば、あとは毎月自動的に口座からお金が引き落とされてどんどん積み立てが実行されていきますので、ほとんど手間をかけなくてもよくなりますよ。
先述のとおり、iDeCoを始めるには口座を開設する金融機関を1社だけ選ぶ必要があります。
金融期間は途中で変更することもできますが、手間も時間も、手数料までかかる場合もあるため、できるだけ最初に納得して選んでスタートさせたいところです。
では、どうやって選べばいいのでしょうか。大きなポイントとなるのが「手数料」と「商品ラインナップ」です。詳しく見ていきましょう。
まずチェックしたいのが、その金融機関でかかる「手数料」です。iDeCoでは口座を開設するとき、お金を積み立てているとき、受け取るときなどさまざまなタイミングで手数料がかかります。
特に金融機関ごとに差が出やすいのが、運用期間中にかかる「運営管理手数料」です。この手数料は口座開設した金融機関に支払うもので、積み立てをスタートさせてから運用期間中は毎月かかり続けます。
1カ月あたり数百円の差でも、期間が長くなれば長くなるほど最終的な受け取り額が大きく変わってきます。必ず確認して、なるべく安いところを選びましょう。たとえば以下のような金融機関では、運営管理手数料が0円で済みます。
もう1つ、金融機関選びのポイントとなるのが「商品ラインアップ」です。
iDeCoでは、金融機関ごとにどんな商品を何種類用意しているのかが大きく異なります。投資したい商品がすでに決まっている場合は、それを選択できる金融機関を選ぶ必要があります。
まだ決まっていない場合は、とりあえず手数料が安くて選べる商品数が多いところを選んで、その金融機関の品揃えのなかから投資したい商品を絞っていくのも1つの方法です。
法律上、1社がiDeCoで取り扱えるのは「35種類」までと上限が決められています。気になる金融機関の商品数がこれに近ければ、充分な数の選択肢があるといえるでしょう。
「選ぶポイントはわかったけれど、条件に合う金融機関をうまく探せない……」
「どこがいいのかもっと具体的に教えてほしい!」
そんな方に、ここからはiDeCoの金融機関としておすすめの会社を3つご紹介します。3社とも、以下の2つの条件を両方クリアしています。
まず1つめが「SBI証券」です。インターネット専業の証券会社(ネット証券)の最大手企業で、iDeCoの加入者数が最も多い金融機関でもあります。
iDeCoの加入者数は全体で約240万人、SBI証券のiDeCo加入者は約60万人ですので、iDeCoに取り組んでいる人のうちおよそ4人に1人がSBI証券を選んでいる計算です。
手数料の安さと商品ラインアップに定評があるのはもちろんですが、次のようなサポートも受けられます。
2つめは「楽天証券」です。楽天証券も人気の高いネット証券です。
楽天証券公式サイトのiDeCoのページは情報が充実しているため、初心者でも一歩を踏み出しやすいでしょう。iDeCoの概要や商品選びなどについて書かれたガイドブックのダウンロードや、動画セミナーの閲覧などが無料でできます。
楽天証券の社員がどんな商品にどんな割合で投資しているか、実際の例が紹介されていたりするので、チェックして参考にしてみるのもおすすめです。
また、楽天証券ではiDeCoとiDeCo以外の投資が同じID・同じサイト内で確認できるため、資産管理がしやすく、投資経験のある方にとっても便利に使えるでしょう。
松井証券もネット証券ですが、創業100年を超える老舗証券会社です。大きな特徴は、商品数の多さです。
松井証券では40本のなかから選ぶことができ、これは業界最多の水準です。(法律上の商品数はカウント方法が違うため31種類となります。)
商品数だけでなく商品の中身も特徴的で、初心者にもやさしい、低コストで運用できる人気商品が多数そろっています。
ちなみに、松井証券の問い合わせ窓口は、格付けで10年連続最高評価の三つ星を獲得しています。iDeCoのサポートダイヤルだけでなく、資産形成全般について専門のスタッフに電話で相談できる「マネープランサポート」なども利用できますよ。
次は、iDeCoの商品の選び方について見ていきましょう。選ぶときにチェックしたいのが以下の3点です。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
まず考えるべきなのが「何に投資するのか」です。iDeCoの商品は大きく分けて「元本確保型」と「投資信託」の2種類があります。元本確保型は、定期預金のようにお金が減る可能性はないものの、期待できるリターンが小さい商品です。
投資信託は、投資のプロが選んださまざまな投資先を1つにまとめたセット商品のようなものです。何に投資する投資信託なのかによって、以下のように分けられます。
投資するエリア | ||||
---|---|---|---|---|
国内 | 先進国 | 新興国 | ||
投資する 資産 |
債券 | 国内 債券 |
先進国 債券 |
新興国 債券 |
株式 | 国内 株式 |
先進国 株式 |
新興国 株式 |
|
不動産 (REIT) |
国内 不動産 |
先進国 不動産 |
新興国 不動産 |
投資対象が「国内株式だけ」など1つの場合、もしそれが急に下落するようなことがあると資産に大ダメージを与えてしまいます。リスクを抑えるためには、どれかに集中するのではなく、いくつもの投資対象に分散させておくのがおすすめです。
国内・先進国・新興国すべてを含んだ「全世界」、もともとバランスを考えて投資対象を分散させた状態になっている「バランス型」や「ターゲットイヤー型」の商品もあります。自分で配分を考えるのが難しい場合は、このような商品を選ぶのも1つの方法です。
投資信託には、さらに「インデックス型(パッシブ型)」と「アクティブ型」という分け方もあります。インデックス型は日経平均株価やNYダウなど基準となる指数にあわせた値動きを目指す投資信託で、アクティブ型はその指数を上回る値動きを目指す投資信託です。
アクティブ型は高いリターンを狙って積極的に運用しているため、インデックス型より信託報酬(手数料)が高くなりがちです。初心者はインデックス型を選ぶのがおすすめです。
iDeCoの商品を選ぶ際は「信託報酬」をチェックすることも重要です。信託報酬とは、投資信託(ファンド)の運用や管理にかかる手数料のことで、その投資信託を保有しているあいだずっとかかり続けます。
iDeCoの金融機関に支払う「運営管理手数料」とは別に、投資信託ごとに定められた年率で日々支払っていく費用です。当然、同じ運用成果なら手数料が安いものを選んだほうが、手元に残せる金額が大きくなって有利です。
以下は、信託報酬の一例です。
①や②で選べない場合は、その投資信託(ファンド)の過去の運用成績を見てみるのも参考になりますよ。
今までの運用がうまくいっているからといって今後もそうなるとは限りませんが、同じ投資対象に同じ期間投資した別商品と比べて差を見るといった使い方ができます。
たとえば、iDeCoナビでは以下のように過去のリターンが一目でわかるようになっています。
投資信託の評価に役立つ指標は、リターンだけではありません。たとえば「シャープレシオ」は運用効率をあらわす指標で、数値が大きいほど、同じリスクでも高いリターンを得られている優秀な投資信託ということになります。
これらは証券会社の商品検索ページなどでチェックできます。そのほか、これらの数字を踏まえて第三者の評価機関などが評価した格付けを公表している場合もあります。
「iDeCoの商品についてもっと具体的に知りたい!」という方に向けて、ここからは5つの商品タイプごとに実際の商品をご紹介していきます。
今回は次の基準で選んでいます。いずれも投資家人気の高い商品ばかりです。
では1つずつ見ていきましょう。
「三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)」は、おもに「日本国債」に投資する投資信託です。国債とは、国がお金を借りるために発行する証券のことです。
相手が個別の企業ではなく国なので倒産などのリスクが低く、なるべくお金が減る心配をせずに安心して積み立てていきたい方に向いています。
「国内債券×インデックス型」の投資信託の中でも、とくに信託報酬が低い点もメリットです。三菱アセット・ブレインズ株式会社の格付けではAaa(最高評価)を獲得しています。
直近の運用実績は、以下のとおりです。
この商品は、松井証券などが取り扱っています。
「eMAXIS Slim」は信託報酬の低さで投資家から支持されている人気のシリーズです。「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」は、東証株価指数(TOPIX)と連動した値動きを目指しています。
日本経済の動きと連動するタイプのため、日々のニュースや身近で感じる景気の様子などで、値動きの方向性が直感的にわかりやすい点もメリットです。忙しくてこまめに値動きがチェックできない方や投資が初めての方でも把握しやすいでしょう。
国内株式の指標は大きく分けて「日経平均」と「TOPIX」の2つがありますが、TOPIXのほうがバランスよく幅広い企業(東証一部上場の全銘柄)の値動きを反映しています。
この投資信託の信託報酬は「国内株式×インデックス型」のなかで最安値クラスと、低く抑えられています。直近の運用実績は、以下のとおりです。
SBI証券などで選択できますよ。
「たわらノーロード先進国株式」は、アメリカを中心にイギリスやカナダなど、日本以外の先進国の株式の値動きに連動することを目指している投資信託です。
先進国は、すでに経済が成熟していて国内情勢も安定している国が多いため、新興国への投資よりもリスクを抑えやすいです。新興国ほど爆発的とはいかないかもしれませんが、ある程度の成長も見込めます。
この商品の直近の運用実績は、以下のとおりです。
これによると、過去5年の積立リターンが50%超と高い数値になっています。この商品も三菱アセット・ブレインズ株式会社の格付けでAaa(最高評価)を獲得しています。
楽天証券などで取り扱っています。
もっと幅広い株式に投資したいなら、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」という手もあります。
この投資信託は、これ1本で全世界の株式市場に投資したのと同様の効果を得られます。投資先には日本や新興国も含まれるため、先述の「たわらノーロード先進国株式」よりさらに幅広い範囲をカバーした分散投資が実践できます。
同様のファンドの中では信託報酬が最安値レベルで、なおかつリターンは同種のファンドの平均を上回っているため、コスパの高い商品といえるでしょう。
SBI証券などで取り扱っています。
「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」よりさらに幅広く分散できるのが、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」です。
これ1本でさまざまなエリアのさまざまな資産に投資できる「バランス型」の投資信託です。具体的には、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT(不動産)、先進国REIT(不動産)の8つに12.5%ずつ投資します。
バランス型の投資信託は、いくつもの商品を自分で選んで組み合わせるのが面倒な方、おまかせにしたい方などに選ばれています。
この商品はスタートしてからまだ4年ほどですが「バランス型×インデックス型」の中でも圧倒的な純資産総額(投資信託の規模)まで成長しています。同種のファンドの中では信託報酬が最安値クラスなのも、うれしいポイントです。直近の運用実績は以下のとおりです。
こちらは松井証券などで扱っています。
ここまで5つご紹介してきましたが、なかでも特におすすめなのは「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))」です。理由は、低コストでバランスよく分散投資ができ、リターンも狙いやすいからです。
なるべくリスクを抑えたいなら「三菱UFJ国内債券インデックスファンド(確定拠出年金)」、何も考えずにおまかせしたいなら「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」など、自分の考え方に合った商品を選びましょう。
最後に、iDeCoを利用する前に知っておきたい注意点について解説します。「こんなはずでは」とならないように、メリットだけでなくデメリットも確実に押さえておきましょう。
おもな注意点は以下の4つです。
1つずつ見ていきます。
iDeCoは、基本的に60歳になるまでお金を引き出すことができません。
通常の定期預金などと違い、60歳より前に「お金が必要になったから解約して、今まで積み立ててきた分を受け取ろう」と思ってもできないため要注意です。
もしもの事態が起きても困らないよう、臨時出費に対応できるだけの貯蓄を用意するか保険で備えておくなど対策したうえで、無理のない範囲で積み立てるようにしましょう。
引き出すことはできませんが、掛金の金額を変更したり支払いをストップしたりすることはできますよ。
また、60歳で引き出すには10年以上iDeCoに加入していることが条件です。50代以降で始めた場合は、受け取る時期がどんどん後にずれ、最長で65歳まで引き出しができない場合もあります。
通算加入者等期間 | 受給可能な年齢 |
---|---|
10年以上 | 60歳から受給可能 |
8年以上10年未満 | 61歳から受給可能 |
6年以上8年未満 | 62歳から受給可能 |
4年以上6年未満 | 63歳から受給可能 |
2年以上4年未満 | 64歳から受給可能 |
1月以上2年未満 | 65歳から受給可能 |
iDeCo口座は1人1つまでしか開設できません。そのため、口座開設する金融機関を1社だけ選ぶ必要があります。
金融機関は途中で変更することもできますが、「移換時手数料」として4,000円程度の費用がかかるところもあります。
最初からできるだけ変更する必要がないところを選んでおくことが、手間と時間とコストの節約につながります。
iDeCoで将来受け取れる金額は、自分の運用がどれだけうまくいくかによって大きく変わります。運用商品として投資信託を選んだ場合は、資産が大きく増える可能性がある反面、値下がりによる元本割れ(受け取る金額が投資額より少なくなること)のリスクもあります。
できるだけ長期で取り組む、投資対象を分散させるなど、リスクを抑えるための方法はいろいろとありますが、リスクゼロにはなりません。
どうしてもお金を減らしたくないなら、あまりお金は増えませんが元本確保型(定期預金など)で運用することも考えましょう。
iDeCoには、いくつもの手数料がかかります。たとえば以下のようなものです。
加入時・移換時手数料 | iDeCoを始めるときに初回だけかかる。2,829円。 |
---|---|
口座管理 手数料 |
運用期間中ずっとかかる。月66円~月600円程度。 |
給付事務 手数料 |
積み立てたお金を受け取るときにかかる。1回440円。 |
還付事務 手数料 |
既定の額を超えて掛金を支払った場合などに還付される(お金が戻ってくる)ときにかかる。1回1,488円~2,000円程度。 |
信託報酬 | 投資信託の保有中ずっとかかる。年0.1%~年2.0%程度。 |
税金が安くなることや運用で増える可能性があることを考えれば、多少コストがかかっても実践する価値はあるでしょう。ただ、金融機関や商品ごとに手数料がかなり違うケースもあるため、よく確認して選びましょう。
iDeCo(イデコ)をしない方がいいケースはある?
イデコをやらない方がいいケースには、次のような人などが当てはまります。
1)継続的に積み立てる資金の余裕がない人
2)数年内に大きな出費の予定がある人
3)60歳まで引き出せないのが嫌な人
イデコは長期運用が前提の制度。上記のような場合はあらためて検討するのがおすすめです。
iDeCo(イデコ)の銘柄の選び方のポイントは?
イデコの銘柄を選ぶ際は、次の3つのポイントを押さえましょう。
1)何に投資するのか(投資対象)
2)信託報酬の低さ(手数料)
3)長期の運用に適しているか(過去の運用実績など)
詳しくはこちらにて解説しています。
iDeCoは、老後に向けて節税しながらお金を積み立てていける制度です。いくつか注意点はあるものの、それを上回るメリットがあります。
本記事では以下のとおり、具体的な金融機関や商品についてもご紹介しました。
iDeCoは20歳から60歳までの方なら基本的に誰でも加入できます。節税効果が高く、半強制的にお金を積み立てていくことで老後に備えられる制度なので、これを活用しない手はありません。
できるだけ長い期間にわたって投資できた方が有利なので、悩んでいる方はこの機会に思い切ってスタートしてみてはいかがでしょうか。
iDeCo(イデコ)は一人一口座しか持てないため口座選びが重要。でも、多くの金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、分かりやすい基準として、iDeCo専門サイトNo.1の「iDeCoナビ」でよく見られている金融機関と、独自サービスがある注目の金融機関をご紹介します。
SBI証券
楽天証券
松井証券
りそな銀行
三井住友銀行
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iDeCo(イデコ)おすすめの商品や金融機関は?始め方も徹底解説!
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