NISA(一般NISA)やつみたてNISAに取り組んでいると、途中で金融機関(口座開設先)を変更したくなったり、一般NISAからつみたてNISA(つみたてNISAから一般NISA)に変更したくなったりすることがあるかもしれません。
変更することで、非課税の枠を活かしきれるようになったり手数料を抑えられたり、やりたかった投資にチャレンジできるようになることも。現状に不満がある人や、より効率的に投資を行いたい人は変更を検討してみましょう。
この記事では「変更の手続き方法は?」「今持っている投資商品はどうなる?」など、一般NISAとつみたてNISAに関する変更時の気になる疑問についてお答えします。
NISAの種類(一般NISA⇔つみたてNISA)も金融機関(口座開設先)も、年単位での変更が認められています。つまり、変更できるのは1年に1回のみです。
変更手続きができる期間 | |
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NISAの種類変更・ 金融機関変更 |
前年10月1日~変更したい年の9月30日まで ※変更したい年の1月1日以降に変更前の口座で買付があった場合、その年分の変更は不可 |
10月~12月に手続きを完了すると、翌年分から変更できます。1月~9月は、その年にまだ非課税枠で買付けを行っていない場合のみ、その年分の変更ができます。すでに一度でも買付けが済んでいる場合は、翌年分からの変更となります。
続けて変更についてよくある質問にお答えしていきます。
A. デメリットは、保有商品の移管やロールオーバーができないこと
金融機関を途中で変更する場合、変更前の口座で保有していた商品を変更後の口座に持っていく(移管する)ことはできません。
変更前の口座で引き続き非課税で保有し続けることはできますが、変更前と変更後、2つのNISA口座ができることになり、管理しにくくなります。また、変更前の口座で保有していた商品はロールオーバー(非課税期間の延長)ができない点にも要注意です。
また、NISAの種類や金融機関が変わると手数料、使い勝手、選べる商品なども変わります。自分の希望に合った変更ができそうか、あらかじめよく確認しておきましょう。
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A. その年に一度でも買付けしていると、10月以降まで変更申し込みができない
変更したい口座で1月1日以降に一度でも買付けを行っている場合、その年分の変更はできず、早くても翌年分以降になります。翌年分の変更手続きは1月~9月にはできず、10月以降しか申し込めません。
翌年以降の変更を希望するなら、10月~12月のあいだに手続きを完了させるのがおすすめ。年をまたいでしまうと、自動的に積み立てが実行されて「買付済」になり、また翌年まで変更できなくなってしまうかもしれません。
なお、手続き完了まで2~3週間はかかります。実際の手続きには、変更書類の配布が始まる9月ごろから準備を始め、遅くとも12月上旬までに書類の返送を済ませるのが理想です。
A. まだ買付けを行っていなければ、年内の変更も可能!
年内の変更が可能かは、その年にすでに買付けが行われているかどうかで決まります。1月から9月までは、まだ買付けを行っていなければその年から金融機関を変更できます。
たとえ1月1日でも、1円だけでも、すでに一度でも買付けを行っている場合は、年内に新しい金融機関で始めることはできません。10月以降に所定の手続きを済ませて、翌年から変更することになります。
NISAの非課税枠は1年ごとにリセットされます。使い切らずに残しても翌年に持ち越すことはできません。ですのでその年から変更できる場合も、翌年からしか変更できない場合も、変更の有無にかかわらずなるべく上限まで使い切るようにしたほうがお得です。
A. 10月に変更手続きが完了した場合、来年から適用される
今年10月1日に変更の申請を行った場合、そこから2~3週間程度で変更手続きが完了し、来年1月1日からは新しい金融機関での取引ができるようになります。
10月以降に行った変更手続きは「翌年分」から適用されますので、手続き完了後でも今年10月~12月は変更前の金融機関で投資できます。今年の非課税枠がまだ残っているなら、無理のない範囲で使い切るのがおすすめです。
A. 口座変更手続きが完了するまで2~3週間かかる場合も
口座変更の手続きをしたからといって、すぐに新しい口座で投資を始められるわけではありませんので要注意です。
金融機関を変更する場合、変更前の金融機関に手続きのための書類を提出します。そのあと「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を発行してもらうまでに約1週間、発行してもらった通知書を含む必要書類を新しい金融機関に提出し、税務署確認が済むまでに1~2週間程度かかります。
金融機関にもよりますが、変更手続きを始めてから完了までには2~3週間ほどかかると考えておきましょう。その間はNISA口座での取引ができなくなります。
また、10月~12月に口座変更の手続きをした場合は年内の変更にはならず、新しい金融機関で投資できるのは翌年からになります。
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NISAの種類変更(一般NISA⇔つみたてNISA)や金融機関(口座開設先)変更について、具体的な変更手続きがわからない人や、時短になる方法を知りたい人もいるでしょう。ここからは手続き方法に関するよくある質問にお答えします。
A. まずは今(変更前)の金融機関に連絡しよう
金融機関の変更をするときは、先に「変更前」の金融機関に連絡しましょう。変更を申し出ると、手続きのための必要書類が送られてきます。それに記入して返送すると、今度は「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が送られてきます。
この「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」は、新しい(変更後の)金融機関に提出する必要があります。それがないと手続きが先に進みませんので、なるべく早めに変更前の金融機関に連絡しておくことが時短につながります。
変更前の金融機関への申し出が済んだら、変更後の金融機関にも連絡して、必要書類を送ってもらいます。必要書類に記入を済ませて「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」、本人確認書類(マイナンバーカードの写しなど)を添えて返送すれば手続き完了です。
A. 税務署に問い合わせてみよう
どこでNISA口座を開設したかまったくわからない場合は、管轄の税務署に問い合わせてみましょう。
ただし電話では答えてもらえません。窓口に出向くか郵送でやり取りするかで、「非課税口座の開設先金融機関に関する確認依頼書」を提出する必要があります。窓口に行くときは、運転免許証などの本人確認書類と印鑑を持参するようにしましょう。
税務署での確認には時間がかかることが多いです。「なんとなくここかも知れない」という心当たりがあるなら、その金融機関の窓口に問い合わせたり会員専用サイト(マイページ)をチェックしたりしてみるのも1つの方法です。
A. まずは変更前の金融機関に連絡して金融機関変更、その後に種類変更
金融機関変更と種類(一般NISA⇔つみたてNISA)変更、どちらも行いたいなら金融機関変更を先にするのがおすすめです。金融機関変更の方が時間も手間もかかるからです。
まずは変更前の金融機関に連絡して、金融機関変更に必要な書類を送ってもらいましょう。金融機関の変更手続きは完了まで2~3週間程度かかります。
金融機関の変更が済んで新しい金融機関で取引できるようになったら、NISAの種類を変更します。金融機関の変更は郵送のやりとりが必要ですが、NISAの種類の変更はオンライン(マイページ)ですぐ手軽にできる場合も多いです。金融機関によっては電話で変更受付をしている場合もあります。
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A. 口座開設したてや未使用でも通常どおり変更可能
口座を開設したばかりの人や開設したきり一度も使っていない人も、通常どおり金融機関やNISAの種類を変更することができます。
金融機関の変更をしたい場合は、変更前の金融機関に連絡して必要書類を送ってもらいましょう。NISAの種類を変更したい場合は、マイページ(会員専用サイト)や電話などで手続きします。
これまで一度も買付けをしていない場合、1月~9月に手続きが済めば、その年の分からすぐに変更が適用されます。手続き完了が10月~12月だと、翌年からの変更になります。
A. 楽天証券からSBI証券への口座変更は可能!
楽天証券からSBI証券への変更は可能です。まずは楽天証券に変更を申し出ましょう。楽天証券のマイページにある「管理・手続き」から「他の金融機関へNISA口座を移す」を選択すると手続きに進めます。
楽天証券から送られてくる書類に記入して返送すると「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」が送られてきます。書類を待つ間に、SBI証券からも変更のための手続き書類を取り寄せます。
SBI証券から届いた書類に記入して、楽天証券から届いた「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」や本人確認書類などを添付して返送すれば手続き完了です。この手順はつみたてNISAでもNISAでも同じです。
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A. ネットで変更完了した場合はすぐに通知が来る!
NISAの種類を変更する場合、ネットで簡単に手続きでき、その場ですぐに完了します。たとえば楽天証券の場合、手続きが完了したらすぐに「メール」とマイページにログインしたあとに表示される「お知らせ」に通知が来ます。
通知が来ていない場合は手続きが完了できていない可能性もありますので、もう少し待ってみるか金融機関に問い合わせてみましょう。
ちなみに金融機関を変更する場合は、手続き書類を送付してから完了するまで1~2週間程度かかります。完了後の連絡が来るまでしばらくあいだが空きますので気長に待ちましょう。
NISA口座を変更したら、それまで保有していた商品はどうなってしまうのでしょうか。ここからは、変更前にすでに投資している商品がある場合の取扱について、よくある疑問にお答えします。
A. 変更にともなって商品を引き継ぐことはできない
NISA口座を変更した場合、変更前から変更後に商品を引き継ぐ(移管する)ことはできません。一般NISAで購入した商品をつみたてNISAでロールオーバー(非課税期間の延長)することもできません。
ただ、変更前の口座で保有している商品はそのまま残しておくことができるので、非課税期間が残っているうちは非課税のままです。
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A. 金融機関を変更しても、旧口座の商品を売却する必要はない
金融機関を途中で変更しても、それまでの口座で保有していた株式や投資信託はそのまま保有し続けることができます。あせって売却する必要はありません。
変更後も旧口座はそのまま残りますし、引き続き非課税も適用されます。旧口座の商品を売却したいときは、変更前の金融機関で手続きします。
A. NISA口座で金融機関を変更しても、旧口座はそのまま残る(移管されない)
NISAの金融機関を変更する場合、変更前の口座で購入した商品が課税口座に移管される(税金がかかるようになる)かもと不安に思う人もいるでしょう。しかし、その心配は不要です。
金融機関を途中で変更しても、変更前の口座で保有していた商品はそのまま残り、非課税が適用されます。非課税期間が残っている限り、勝手に課税口座に移管されることはありません。
A. 今までの積立分はそのまま残り、非課税の適用が続く
つみたてNISAを取り組んでいる途中で金融機関を変更したくなることもあるでしょう。もし楽天証券からSBI証券に変更する場合、楽天証券で保有していた商品はそのまま楽天証券に残り続けますので安心してください。
つみたてNISAの非課税期間は20年ですが、その期間が残っている限りは楽天証券にある旧口座でも非課税が継続します。金融機関を変更する際は、まず楽天証券で手続きして「勘定廃止通知書」を入手しましょう。
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A. 通常は不可。しかし金融機関変更をした場合は例外
通常、NISA口座は「1人1口座」しか持てません。
しかし、途中で金融機関変更を行うと、変更前(旧口座)と変更後(新口座)の2つのNISA口座を持つことになります。この場合は例外として認められているので、2つあっても問題ありません。
ただし非課税枠が与えられるのは変更後の口座だけなので、NISA口座が2つあるからといって非課税枠が2倍になるわけではない点に注意してください。
NISAでは、一般NISA⇔つみたてNISAの変更や金融機関の変更が可能です。しかし、いつでも何度でも自由にできるわけではなく、「年単位でしか変更できない(年1回だけ)」、「変更前の保有している商品の移管はできない」などの制限もあります。ルールや手続き方法をあらかじめ把握して、不安や疑問を解消した上で進めていきましょう。
いざ、つみたてNISAを始めよう!と思っても、数ある金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、多くの人に支持されている金融機関を、独自のサービスやおすすめ情報と併せてご紹介します。
SBI証券
松井証券
楽天証券
auカブコム証券
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NISA&つみたてNISA(積立NISA)口座・証券会社の変更の疑問を全解決!【Q&A】
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