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最終更新:2022年06月29日

つみたてNISA(積立NISA)口座と特定口座の違いとは?併用時のポイントは?

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つみたてNISA(積立NISA)口座と特定口座の違いとは?併用時のポイントは?
岩永 真理 ファイナンシャル・プランナー

この記事は8分で読めます

証券会社でつみたてNISAを始めるには、つみたてNISA口座(NISA口座)と同時に「取引口座」を開設する必要があります。取引口座には特定口座などいくつか種類があります。

そこで今回は、つみたてNISA口座と特定口座の違い、株式や投資信託などの商品を口座間で移管できるのか、口座を併用するにあたっての注意点などを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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つみたてNISA口座と特定口座の主な違いは?

つみたてNISA口座(NISA口座)と特定口座(取引口座)の主な違いは、投資で得られる利益に税金がかかるかどうかです。

特定口座
(取引口座)
NISA口座
つみたてNISA口座
課税される
(投資で得た利益に
20.315%の税金がかかる)
課税されない
(投資で得た利益に税金がかからない、
税制優遇がある

両者の違いを、もう少し詳しく比較してみましょう。

  特定口座 つみたてNISA口座
(NISA口座)
課税の有無 あり なし
投資できる期間 制限なし 20年
(NISAは5年)
投資上限金額 制限なし 年間40万円
(NISAは120万円)
取引できる商品 株式、IPO、
投資信託など
つみたてNISA
またはNISAの対象商品
損益通算※1 対象(3年間) 対象外
確定申告 源泉徴収なし:
必要
源泉徴収あり:
不要
不要
  • 1 損益通算…利益と損失が出た場合、利益から損失を差し引いて税金の負担を軽くすること

上表のポイントを詳しく見ていきましょう。

<運用利益に対する課税>

  • 特定口座:あり。利益に対して、20.315%の税金がかかります。
  • つみたてNISA口座(NISA口座):なし(非課税)

<投資できる期間・上限金額>

  • 特定口座:制限なし
  • つみたてNISA口座:投資期間は最長20年、投資上限金額は年間40万円まで
    (NISAの投資期間は最長5年、投資上限金額は年間120万円まで)

<投資できる商品>

  • 特定口座:株式、ETF、投資信託、公社債など
  • つみたてNISA口座:つみたてNISAで投資できる投資信託に限定されています。
    (NISAは投資信託のほかに個別株式などにも投資できる)

<年間で損失の方が多い場合>

  • 特定口座:その年の税金はゼロになり、翌年以降3年間はその損失を繰り越して翌年以降の利益から差し引くことができます(繰越控除)。
  • つみたてNISA口座(NISA口座):繰越控除できない

<確定申告>

  • 特定口座:税金の源泉徴収の有無を選ぶことができ、源泉徴収ありの口座は確定申告を不要にすることができます。ただし、複数の証券会社の損益通算や損失の繰越控除をするには、源泉徴収ありの口座でも確定申告が必要です。
  • つみたてNISA口座(NISA口座):不要

つみたてNISAを始めるには、特定口座などの「取引口座」が必要

証券会社でつみたてNISA(またはNISA)を始めるには、つみたてNISA口座(NISA口座)に加えて、「取引口座」の開設が必要です。

取引口座には、次の3つがあります。

  • 一般口座:源泉徴収なしの1種類
  • 特定口座:源泉徴収なし・源泉徴収ありの2種類
取引口座

源泉徴収とは、運用利益から20.315%の税金が自動的に引かれることです。源泉徴収ありを選べば、確定申告は不要にできます。一方、特定口座の源泉徴収なしや一般口座を選ぶと、自分で確定申告をする必要があります。

つみたてNISAを始める場合、取引口座の開設は必須とお伝えしました(取引口座の利用は任意)。では、上述した3種類の中からどの取引口座を選べばいいのでしょうか?

つみたてNISA口座(NISA口座)と特定口座を開設するのがベスト

3つの取引口座とつみたてNISA口座の特徴を比較してみましょう。

口座の種類 特徴
【課税される】
一般口座
  • 確定申告など、納税の手続きを全て自分で行う
  • 会社員は利益などが年間20万円以内の場合、税金がかからない
  • 一部の取引で開設する必要がある場合も
【一定額以上は課税される】
特定口座
(源泉徴収なし
  • 証券会社が納税手続きの一部(年間取引報告書を作成)を行ってくれる
  • 会社員は利益などが年間20万円以内の場合は税金がかからない
  • ただし、確定申告は必要
【課税される】
特定口座
(源泉徴収あり
  • 証券会社が納税手続きを行ってくれる!
  • 確定申告の手間が一切かからない!
【課税されない】
つみたてNISA口座
(NISA口座)
  • 「つみたてNISA」や「NISA」を利用するために必要(1人につき、利用できる制度はどちらか一方)
  • 最大で20年間、投資で得た利益の全額が非課税になる

特定口座と一般口座の違い

証券会社が「年間取引報告書」(1年間の取引の損益をまとめたもの)を作成してくれるかどうかが主な違いです。

特定口座:作成してくれる
一般口座:必要に応じて自分で作成。確定申告も自分で行う。

一部の商品(証券会社によって異なる)は一般口座でしか取引ができないものの、投資信託や株式など主な取引は特定口座でも問題なく利用できます。

◆確定申告の注意点

  • 給与(年間収入金額2千万円以下)を1カ所から受け取っていて、運用利益など給与以外の所得金額の合計が20万円以下なら確定申告は不要です。ただし住民税の申告は必要です。
  • 確定申告をすると、扶養控除などの判定の合計所得金額に含まれるので、多額の利益を申告すると扶養からはずれてしまう可能性もあります。
特定口座は、源泉徴収なし・源泉徴収ありの2種類

◆源泉徴収なし

年間取引報告書に基づき、自分で確定申告をする必要があります。

◆源泉徴収あり

確定申告は不要ですが、職業や運用利益額にかかわらず一律の税金が引かれます。

投資初心者は、確定申告の手間が省ける「源泉徴収ありの特定口座」を選択するとよいでしょう。

つみたてNISA口座(NISA口座)と特定口座-併用時の注意点①
特定口座から銘柄をNISA口座へ移管できない

NISA口座(非課税)では新たに買い付けた商品のみ保有できるので、他の口座からNISA口座へ商品を移す「移管」はできません

もしNISA口座で買いたい商品を誤って特定口座で買ってしまった時は、NISA口座で同じ商品を買い直すことになります。特定口座の商品を一旦売却する際に売却益があれば、課税されます。

逆にNISA口座で保有している商品を、特定口座へ移管することは可能です。ただし、移管後もNISA投資可能額がもとに戻るわけではありません。また、商品の取得価格はNISA口座で買った時の価格を引き継がず、移管日の時価となります。

■例:NISA口座で購入した商品を特定口座に移管する場合

  1. 1.NISA口座:1万円で投資信託を購入
  2. 2.時価8千円の時に特定口座へ移管:取得価格は8千円に変更
  3. 3.時価1万円の時に特定口座で売却: 8千円との差額2千円が利益として課税される

つみたてNISA口座(NISA口座)と特定口座-併用時の注意点②
銘柄の購入時、口座指定を間違える可能性も

株や投資信託などの購入時には、取引する口座を指定する必要があります。NISA口座で購入したいのに特定口座で購入してしまうと、移管ができないので新たにNISA口座で購入する必要があります。

株や投資信託などは日々価格が変動しています。再購入のタイミングによっては価格が高くなっていることもあり得ます。

たとえば、

  1. 1.株(10万円)を誤って特定口座で購入、翌日値上がりして13万円に。
  2. 2.特定口座の株を13万円で売却
    →3万円の利益は、課税されて約2万4千円に。
  3. 3.NISA口座で同じ株を13万円で購入。課税分だけ持ち出しが増加。

二度手間にもなりますので、購入口座を指定する際には十分注意して間違えないようにしましょう。

どう使い分けたらいい?つみたてNISA口座と特定口座の併用時のポイント

つみたてNISA口座と特定口座は、同じ証券会社で開設しても課税区分が異なる別の口座です。それぞれの特徴も異なりますので、さまざまな状況に応じて併用や使い分けをすることができます。併用時のポイントを4つ紹介しましょう。

つみたてNISA/NISAと特定口座の併用ポイント①
売買の頻度に合わせて使い分ける

つみたてNISAやNISAには非課税投資枠があり、投資できる金額はそれぞれ年間40万円と年間120万円に決められています。この非課税投資枠は一度使用すると、途中で売却してもその年の非課税投資枠は回復しません。

たとえば、つみたてNISAで1月から4月までに3万円ずつ投資をして12万円分、非課税投資枠を使ったとします。5月にそのうちの10万円分を売却したとしても、再度10万円分の非課税投資枠が復活するわけではありません。

そのため、デイトレードなどのように1日に何回も売買を行い短期で大きな利益を狙うような投資スタイルには、投資金額に制限のない特定口座が向いているでしょう。

一方、つみたてNISAは、コツコツと長期にわたって積み立てで利益を狙うことに向いています。そのため、長期で比較的安定した利益を得る運用スタイルが好みの人は、つみたてNISAを利用するとよいでしょう。

売買頻度が高い運用には特定口座、積み立てでじっくり資産形成するにはつみたてNISA、と使い分けましょう。

合わせてこちらもチェック!

つみたてNISA/NISAと特定口座の併用ポイント②
投資したい商品に合わせて使い分ける

つみたてNISA口座、NISA口座、特定口座では、投資できる商品に違いがあります。

  投資できる主な商品
つみたてNISA 金融庁の基準をクリアした投資信託、ETF※1
NISA 投資信託、ETF※1、個別株式、IPO※2
特定口座 投資信託、ETF※1、個別株式、IPO※2、債券など
(証券会社によって取扱商品は異なる)
  • 取扱商品や取扱銘柄の数は証券会社ごとに異なる場合があります。
  1. 1 ETFとは、東京証券取引所などの金融商品取引所に上場し、日経平均株価などの指数に連動した運用成果を目指す「上場投資信託」のこと。
  2. 2 IPOとは企業が上場し、一般投資家が初めてその株式を取得できるようになる「新規公開株」のこと

つみたてNISAやNISAは、運用利益が非課税になるメリットがありますが、投資商品や投資金額に限りがあります。

つみたてNISAの投資対象は、長期投資に向くと金融庁が指定した投資信託やETFのみです。NISAは、投資信託のほかにも個別株式やIPOにも投資できますが、1年間の非課税投資枠は120万円です。

そこで、以下のような投資には特定口座の併用も検討しましょう。

  • 債券への直接投資
  • 個別株式(つみたてNISA利用者の場合)
  • NISAの非課税投資枠を超える個別株式(③で詳しくご説明します)

つみたてNISA/NISAと特定口座の併用ポイント③
株式投資したい企業の株価に合わせて使い分ける

NISAでは個別株式にも投資ができますが、1年間の非課税投資枠には120万円の上限があります。そのため、株価の高い企業に投資したい場合は、特定口座を利用するとよいでしょう。

たとえば、オリエンタルランドの株価は1万8635円(2022年6月10日現在)なので、株式の購入単位(1単元)100株を購入しようとすると、186万3500円(1万8635円×100株)必要です。

年間120万円の非課税投資枠を超えてしまうので、NISAではオリエンタルランドの株式を購入できません。このような場合は、特定口座を利用すれば購入できます。

ただし、これまで株式には投資しておらず、非課税投資枠(年間120万円)を超えない範囲で株式を買うのなら、運用利益が非課税になるNISAを優先的に利用するとよいでしょう。

合わせてこちらもチェック!

つみたてNISA/NISAと特定口座の併用ポイント④
株主優待や高い配当をもらいたい

NISAで株式を購入しても、株主優待や配当をもらうことは可能です。

ただし、株主優待をもらうには企業が定めた条件があります。たとえば、王将フードサービスでは、100株以上の株式を購入すると年2回、3月末と9月末に条件を達成している株主を対象に、その時点の所有株式数に応じて1枚あたり500円相当の優待券がもらえます。

王将フードサービスの株価は6780円(2022年6月10日現在)、100株購入で67万8000円、NISAで購入することも可能です。なお、優待内容は100株以上で年間8枚(4千円相当)、200株以上で年間12枚(6千円相当)などとなっています。

企業の条件によっては、NISAで株主優待をもらうのが難しい場合もあるでしょう。株主優待を確実に受け取りたいなら、そのための基準を確認して購入口座を決めましょう

そのほか、株式投資から得られる利益は2つあります。

■株式投資で得られる利益
キャピタルゲイン 株式を売却する時に、株価が購入時より値上がりしていると得られる売却益のこと
インカムゲイン 株式を保有している間に、株主に対し利益の一部を直接現金で還元される配当金のこと
株主優待 企業ごとに定められた条件を達成するともらえる株主特典

NISAで購入した株式でも配当金を受け取れますし、税金がかからないメリットもあります。配当金は持株数に応じて受け取りますが、NISAでは非課税投資枠の上限があるため、購入できる株式数は限られます。

もし、多額の配当金の受け取りを希望して株式を大量に購入したいなら、特定口座の利用を検討してもよいでしょう。

つみたてNISA口座と特定口座に関するよくある質問

間違えて特定口座で投資信託を買ってしまって…。NISA口座に移管できる?

特定口座などの他の口座で買い付けた商品をNISA口座へ移管はできません。

NISA口座で保有できるのは、NISA口座で新たに購入した商品だけです。誤って特定口座で購入した投資信託をNISA口座で管理運用したい場合は、再度NISA口座で同じ銘柄を買い直す必要があります。

NISA口座で買いたい商品は、購入時に口座を間違えないように注意しましょう。

つみたてNISA口座と特定口座でそれぞれ同じ銘柄を購入して、メリットはある?

特定口座を併用すると、投資金額や投資期間の制限がなくなるメリットがあります。

つみたてNISA口座では、運用利益が非課税になるため、1年間に投資できる金額は40万円まで、最長投資期間は20年までと決まっています。こうした投資金額や期間を超える可能性があれば、同じ銘柄を特定口座で購入することもできます。

ただし、特定口座では利益が出ると20.315%の税金がかかる点には注意が必要です。

証券会社でつみたてNISAを始める時は口座指定に注意して!

証券会社でつみたてNISAを始めるには、つみたてNISA口座(非課税口座)とは別に特定口座(課税口座)などの取引口座を開設します。取引口座は確定申告の手間が省ける「特定口座(源泉徴収あり)」を選ぶとよいでしょう。

2つの口座があるため、つみたてNISAで投資信託を買う際は、口座を正しく指定しているかをよく確かめましょう。誤って特定口座で買ってしまうと、つみたてNISA口座へは移管ができず買い直しになってしまいます。

特定口座は、つみたてNISA口座では買えない商品(個別の株式や債券など)を取引できます。つみたてNISA(またはNISA)で節税メリットを生かしつつ、特定口座を併用することで、より自由に資産運用を行えることでしょう。

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