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最終更新:2022年03月17日

iDeCo(イデコ)をやらないほうがいい最悪のパターン-デメリットしかない!?

iDeCo(イデコ)をやらないほうがいい最悪のパターン-デメリットしかない!?
鈴木 靖子 ファイナンシャルプランナー、FPライター

この記事は5分で読めます

iDeCo(イデコ)といえば節税効果などのメリットが注目されがちですが、どんな制度にもデメリットはあります。しっかり制度を理解しておかないと、デメリットしかない最悪のパターンに陥ることもあるのです。

本記事ではiDeCoでデメリットしかない、いくつかのパターンを紹介します。iDeCoに興味のある人はぜひこの記事を読んでから、始めるかどうか検討してみてください。

結論(この記事のポイント)
  • iDeCoにはやらないほうがよいパターンがある
  • 老後に備える以外の目的や100%定期預金で積み立てる場合、収入がない人はデメリットのほうが大きい
  • 上記のパターン以外ならメリットが大きい制度なので早めに加入しよう
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iDeCo(イデコ)とは「自分で作る年金(個人型確定拠出年金)」

iDeCoは公的年金に自分で上乗せできる年金制度です。老後資金を個人で作ることを目的として作られました。iDeCoでは、自分で決めた金額を毎月積み立てます。積み立てるお金は投資信託や定期預金などの金融商品に投資して運用するしくみです。

iDeCoの大きなメリットは3つの節税効果があることです。

●節税効果1:積み立てるお金に税金がかからない
iDeCoでその年に積み立てたお金(掛金)は、所得税や住民税のもととなる所得から差し引けます。これにより所得税や住民税の負担を抑えられるのです。

●節税効果2:投資して得た利益に税金がかからない
iDeCoの利益には税金がかかりません。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかるので、ふつうに投資信託や定期預金で運用するより節税できます。

●節税効果3:受け取り時にも税金の負担が軽くなる
iDeCoを受け取る際は、一定の金額まで税金がかかりません。たとえば30年間積み立てたお金を一括で受け取る場合、1500万円までなら非課税になります。

このように節税メリットが大きいiDeCoですが、よく考えて始めないと落とし穴もあります。どのようなパターンに注意すべきかチェックしていきましょう。

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iDeCo(イデコ)でデメリットしかないパターン①
「老後に備える以外の目的で加入」

「老後資金の準備」以外の目的でiDeCoを始めるとデメリットが生じることがあります。たとえば学費やマイホーム資金など「近い将来のための資産運用」をしたい人には向いていない制度と理解しましょう。

iDeCoは自分で老後資金を準備するための制度です。そのためせっかく準備したお金をほかの目的で使ってしまわないよう、原則60歳まで積み立てたお金は引き出せないようになっています。

iDeCo本来の目的を知らずに始めてしまい、いざお金が必要になったときに引き出せなくなっては本末転倒です。目的をしっかり知ったうえで始めることをおすすめします。

近い将来のためなら、つみたてNISAで資産運用しよう

近い将来のために資産運用したい人は、「つみたてNISA」を活用しましょう。つみたてNISAは年間40万円までの投資で得た利益が非課税になる制度です。iDeCoと異なり、積み立てたお金はいつでも引き出せるので、さまざまな目的の資産運用に使えます。

つみたてNISAの商品は長期の積み立てに適した投資信託などに限定されているため、リスクやコストが抑えられて投資初心者にも安心ですよ。つみたてNISAを始めるには専用口座が必要です。つみたてNISAの取り扱いがある金融機関で口座開設しましょう。

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iDeCo(イデコ)でデメリットしかないパターン②
「収入がない人」

冒頭でご紹介したiDeCoの節税メリットのうち、もっとも特徴的なのはその年の掛金を所得から差し引ける「所得控除」のしくみです。

所得とは収入から必要経費を差し引いた金額のこと。そもそも収入がない人は掛金を差し引く「元ネタ」がないため、所得控除の恩恵を受けられないというデメリットが生じます。

たとえば所得400万円の公務員を例に挙げて所得控除の効果をシミュレーションしてみましょう。

iDeCoの所得控除の効果のシミュレーション(節税額)

<前提条件>

職業:公務員

所得:400万円

所得税・住民税率:30%(所得税率20%、住民税率10%)

iDeCoの掛金額(所得控除できる金額):年間14.4万円(月1.2万円)

□1年間の節税額
iDeCoの掛金額(年額) × 所得税・住民税率 = 14.4万円 × 30%
≒1年間で 約4.3万節税できる!
30年間なら…約130万円

上式のとおり年間の掛金額に所得税率と住民税率をかけた金額が節税できる金額です。上記ケースだと月1.2万円を30年間積み立てることで、約130万円を節税できます

一方、収入(所得)のない人は原則所得税や住民税がかからないため、節税効果がゼロになってしまいます。

夫婦の場合は、収入のある人がiDeCoを始めた方がいい

主婦(夫)で老後資金を準備する場合は、収入があるパートナーにiDeCoを始めてもらうのが効果的です。もちろん専業主婦(夫)などで収入がない人でもiDeCoに加入できますが、収入(所得)が多い人ほどiDeCoの節税効果は高くなります。

収入がない人や働いていても収入が少ない人は、つみたてNISAや貯金などで老後資金を準備するとよいでしょう。

iDeCo(イデコ)でデメリットしかないパターン③
「定期預金にしか積み立てない」

iDeCoでは複数の商品を選んで積み立てることができ、その配分も自分で決められます。「損をしたくない!」と元本が保証される定期預金に100%積み立てることもできますが、その方法はあまりおすすめできません。

というのも、iDeCoには以下のような手数料がかかるからです。

タイミング 手数料
加入時 2,829円
運用期間中 171円/月~
受取時 440円/1回

たとえばiDeCoで30年間積み立てたお金を一括で受け取る場合、総額6万4,829円の手数料がかかります。

この手数料に対して、定期預金の年利は雀の涙ほど。一般的には0.002%程度で、毎月1.2万円を30年間積み立てても増えるお金は1,000円程度です。これでは手数料のほうが利息を大きく上回ってしまい損をしてしまいます

投資信託に積み立てて手数料負けを回避しよう

iDeCoの「手数料負け」を防ぐためには、定期預金だけでなく投資信託にも積み立てるとよいでしょう。

投資信託とは、投資家(購入者)からあつめたお金を投資のプロが運用してくれる金融商品です。投資なので損をする可能性はありますが、預金より大きな利益が狙えます。

投資信託はプロが厳選した複数の銘柄に投資するため1つの商品でも分散投資ができるので、投資のリスクを軽減する効果があります。

さらに分散投資の効果を高めたいなら、値動きの異なる複数の資産に投資する「バランスファンド」、投資対象の地域を分散できる「全世界株式」がおすすめ。1本の商品で分散投資できてリスクを抑えられるので、初心者でも安心です。

一方、商品名に「新興国」や「REIT(リート)」とついているような商品は高いリターンが期待できる反面リスクも高めなので、安定的に運用したいなら避けたほうがよいかもしれません。

なお定期預金に積み立てることがNGというわけではありません。すべて投資信託で積み立てることが不安なら、定期預金と投資信託に分散して積み立てるとよいでしょう。自分の許せる範囲で投資信託にも積み立てて、手数料負けのデメリットを防ぎましょう。

iDeCo(イデコ)はやらないほうがいい制度ではない

これまでiDeCoのデメリットしかない3つのパターンを紹介してきましたが、それに当てはまらない限りはメリットの大きい制度です。

iDeCoの最大のメリットは「積み立て時」「運用時」「受取時」3つのタイミングで節税効果があることです。とくに積み立て時の節税効果は毎年の所得税・住民税を抑えられるので、実質的に「手取り」を増やせます。

また長期的に着実にお金を積み立てられるよう「毎月自動で引き落とされる」「途中で引き出せない」などのしくみや制度が整っているので、コツコツお金を貯めるのが苦手な人にも向いています

ただし、一度始めると原則60歳までお金が引き出せない点は注意が必要です。近い未来のために資産運用を始めたい人にとってiDeCoはデメリットになってしまうため、つみたてNISAへの加入をおすすめします。

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iDeCo(イデコ)を始める時の注意点

iDeCoを始める前にどのような点に注意すべきか、チェックしておきましょう。

会社員は加入できない場合もある

iDeCoは国民年金の被保険者なら原則だれでも加入できますが、加入できない例外もあります。

●表:iDeCoの加入資格
国民年金の種類 加入できる人 加入できない人
第1号被保険者 日本国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業者、フリーランス、学生など 農業者年金の被保険者
国民年金の保険料納付を免除(一部免除含む)されている人
*障害基礎年金の受給者等除く
第2号被保険者 60歳未満の厚生年金の被保険者
(会社員、公務員など)
勤務先で企業型DCに加入している人
(規約でiDeCo同時加入を認めている場合は加入可)
第3号被保険者 20歳以上60歳未満の厚生年金加入者に扶養されている配偶者

出典:iDeCo(イデコ)公式サイト「iDeCo(イデコ)の仕組み」より筆者作成

上表のとおり、会社員で企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入している場合は、規約で認められていない限りiDeCoに加入できません。勤務先に企業型DCがあるかどうかわからない人は、人事部や総務部などの担当部署に問い合わせてみましょう。

ただし2022年10年以降は法改正により、企業型DCに加入している会社員は規約で認められていなくてもiDeCoに加入できるようになります。掛金の上限額は月額2万円(DBにも加入している人は月額1.2万円)で、企業型DCとiDeCoの掛金合計額が企業型DCの上限額を超えない範囲で積み立てられます。

ただし企業型DCでマッチング拠出(自分で掛け金を上乗せできる制度)を選択している人は、引き続きiDeCoに加入できません。

年金手帳(年金番号のわかるもの)を準備しておこう

iDeCoの加入手続き時には基礎年金番号が必要です。すぐにわかるよう、年金手帳などで確認しておくことをおすすめします。それ以外にも本人確認書類などの提出を求められます。

以下は加入手続きに必要なもの一例です。iDeCoを始める金融機関のサイトなどで事前に確認し、スムーズに手続きを進めましょう。

  • 基礎年金番号がわかるもの(年金手帳、年金定期便など)
  • 金融機関の届出印
  • 掛金を支払う口座情報がわかるもの
  • 事業主の証明書(会社員や公務員の場合)
  • 本人確認書類

iDeCo(イデコ)に関するよくある質問

ここではiDeCoに関するよくある質問とその回答をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

損するんじゃないですか?

投資信託を選んだ場合、運用成績によっては元本割れすることがあります。これはiDeCoに限った話ではなく、すべての投資商品には元本割れのリスクがあります

ただしiDeCoにはリスクが抑えられる長期運用や分散投資をしやすいしくみがあり、初心者でも損をしにくいように整えられた制度です。長い期間、複数の商品に投資することでリスクが抑えられるので、早めの加入をおすすめします。

また元本が保証されている定期預金を選んだとしても、現在の低金利では利息より手数料のほうが高いため損をしてしまいます。許容できる範囲で投資信託も組み入れて積み立てましょう

iDeCo加入中に死亡したらお金はムダになるのでしょうか?

iDeCoの加入者が死亡しても、それまでに積み立てたお金を「死亡一時金」として遺族が受け取れます。そのため老後資金を準備しながら万が一に備えたい人にもiDeCoは向いています。

死亡一時金を受け取るには、加入者の死亡後5年以内に遺族が請求する必要があります。iDeCoに加入する際は、ご家族にも加入することを伝えておきましょう。

どこで
口座開設したらよいの?

iDeCo(イデコ)は一人一口座しか持てないため口座選びが重要。でも、多くの金融機関の中からどこを選べばよいか迷いますよね。そこで、分かりやすい基準として、iDeCo専門サイトNo.1の「iDeCoナビ」でよく見られている金融機関と、独自サービスがある注目の金融機関をご紹介します。

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